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るものでないといけないと思います。ボランティア活動の中でマイアミではお年寄りも若者も、それから地域の人が全体で共同体を再構築していく動きがあります。この中では自分たちでいろいろ考えたボランティアのプログラムを創造力豊かに、お互いに交換し合っています。お年寄りも若い人達も一緒に企画、運営をしております。

 

●2000年に向けて

 

今年は1996年、あと4年で2000年、新しい世紀に入ります。私たちは今世紀いろいろな間違いをしたと思います。この間違いを新しい世紀で繰り返さないためにもぜひボランティアを広めていきたいと思っております。タイムダラーがただ1つの解決方法ではないということは私もよく知っています。ただマイアミのケースを言いますと、今まで崩壊していた地域や低所得者の地域がこのタイムダラーを導入することによって1つの共同体になりつつあります。先程私がタイムダラーはとても創造的である、と言いましたけれども、今まで行政は行政の仕事、企業は企業の仕事、市民は市民の仕事、というように分かれていました。ただこのタイムダラーでは創造力を働かせて、どうすれば今まで分かれていた3つの機能が一緒になって1つの仕事ができるかということを考えていくものだと思うのです。みなさんにも夢があると思いますが、輝く21世紀に向かってそれぞれが単なる全体の一部ではなく、自分も主役として参加できるような新しいプログラムを考えていってはいかがでしょうか。
時間もあと残り少なくなりましたので、そろそろ結論に入りたいと思います。今、皆さんのお顔を拝見してますととても熱心に聴いていただいて、何かごの岡山市ではタイムダラーが育つのではないかというような予感がしています。私の名刺を田中尚輝さん、後で司会をなさる方に渡しておきますし、田中さんが書かれた「市民社会のボランティア」という本の中にタイムダラーのことが詳しく書いてあります。それでもし質問があれば、私に直接電話をしてください。お手紙を書いてくださっても結構です。いつでもお返事しますし、もし呼んでいただけたらまた岡山市にもやってきます。
アメリカ先住民インディアンのこんな言葉があります。「人間は生まれてくるときは1人、死ぬときも1人、ただその長い闇の人生は他の人達とふれあいの輪の中で暮らし、その生きざまを遺産として残すことができる」どうぞみなさんも遺産として残せる何かに向かって日々の活動を続けていただきたいと思います。みなさんどうもありがとうございました。

 

 

 

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